【昭和時代】248 岡田啓介内閣と天皇機関説【日本史】 — Transcript
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- 0:01はいどうもみなさんこんにちは 今回は岡田内閣と天皇機関説問題
- 0:06についてお話していきます 五一五事件を境に
- 0:09戦前日本の政党内閣は終了し 挙国一致内閣の時代が始まりました
- 0:15今回の動画はその中でも2つ目の 岡田内閣の頃のお話です
- 0:19ということでさっそく この頃の日本の状況を
- 0:22確認していきましょう
- 0:23岡田啓介は福井藩士の長男として 生まれました
- 0:29生まれた年に明治時代が始まった 彼は
- 0:32海軍に入った後に日清日露戦争 に従軍
- 0:35その後海軍の軍事官僚としてエリート コースを進むという
- 0:40まさに大日本帝国海軍と共に成長 してきたような人物です
- 0:44こうして力をつけた岡田啓介は その穏健な性格と中立的な立場
- 0:49を買われて 挙国一致内閣の総理大臣に選ば
- 0:52れたのです
- 0:53しかし挙国一致内閣というのは 悪く言えば寄せ集め内閣です
- 0:58岡田内閣の構成員には 軍部官僚政党貴族院などの
- 1:03各勢力が入っているため 様々な対立を抱えており
- 1:06常に崩壊の危機を伴っていました 特に気を遣ったのが政党勢力への
- 1:11対応です 当時の立憲政友会の総裁は鈴木
- 1:16喜三郎 立憲民政党の総裁は若槻礼次郎
- 1:19でしたが 内閣を組織する際に彼らを訪ね
- 1:23政友会から2名民政党から1名を 内閣に入れたい
- 1:28と相談したところ 若槻礼次郎は協力的でしが
- 1:32鈴木喜三郎は非協力的でした なぜならこの時の政友会は
- 1:37衆議院の291議席を保持しており もしも憲政の常道が続いていれば
- 1:43鈴木喜三郎が総理大臣となって いたはずだったからです
- 1:47そこで政友会から3名民政党から 2名ならどうだと譲歩したのですが
- 1:53それでも鈴木喜三郎は了承せず に
- 1:56岡田内閣への反発を始めたため 政友会から入閣した3人は政友会
- 2:01を抜けて 無所属となりました
- 2:04つまり岡田内閣は 成立当初から問題を抱えた内閣
- 2:08だったのです
- 2:09さてそのように出だしからぐだぐだ の内閣だったので
- 2:12軍部は更に勢いを増していきます 陸軍は満州の支配をさらに強め
- 2:18海軍は軍艦を建造するための下 準備を始めていきます
- 2:22まずは陸軍 次に海軍の動きをみていきましょう
- 2:26満州事変以後の満州では 関東軍の力が強まっていました
- 2:30すると陸軍は政府に対して 政府が満州における権限を持っている
- 2:35だろう その権限を我々に渡せと主張する
- 2:39ようになります 最初は政府も反対していたものの
- 2:43強引な陸軍に押し切られ 結局満州の権限は関東軍に集約
- 2:48されました こうして満州は軍の独占的な支配
- 2:51下に入ることになったのです
- 2:53更にこの頃になると陸軍は 寄せ集め内閣が政治課題に対応
- 2:58できていない 我々が政治を引っ張っていかな
- 3:01ければ と考えるようになっており
- 3:03政府をそっちのけにして政治に 介入するようになっています
- 3:07その象徴的なものが 陸軍パンフレットです
- 3:10そのパンフレットの内容は 当時日本を取り巻いていた状況
- 3:14を 陸軍なりに冷静かつ客観的に分析
- 3:17したものだったのですが 経済活動の個人主義を排して統制
- 3:21を強化する 富の偏在を是正して国民の生活
- 3:26安定を図る 税制を改めて負担の公平を図る
- 3:30といったように 軍部の権限ではないことまで盛り
- 3:33込まれていました
- 3:34それだけではありません 海軍も勢いを増していき
- 3:38軍備拡張に向けて動き出します 理由は簡単
- 3:42ワシントン海軍軍縮条約とロンドン 海軍軍縮条約の
- 3:46有効期限が迫ってきていたのです これらの条約は国ごとに軍艦の
- 3:51保有量の割合を定めている いわば比率主義の条約です
- 3:56つまりこの条約のままだと いつまでたっても日本はイギリス
- 3:59とアメリカを追い越すことができません ということで海軍は条約更新に
- 4:04際しての交渉で 比率主義を改めて共通の限度を
- 4:08決めてほしいと主張するつもり でした
- 4:11もちろんそうなるとイギリスと アメリカが反対することが予想
- 4:14できますが もしそうなればそれを口実に条約
- 4:17を廃棄してしまえばいい という考えだったのです
- 4:21こうして日本はワシントン海軍 軍縮条約からの脱退を決定
- 4:25同様にロンドン海軍軍縮条約も 脱退して
- 4:28着々と軍備拡張を進めていきます これ以降世界は
- 4:32制限のない軍艦建造競争の時代 に突入していったのです
- 4:37このように立憲政友会は政府の 足を引っ張ろうとするし
- 4:40陸軍や海軍は政府の言うことを 聞かない
- 4:43そんな複雑な情勢の中 岡田内閣の政治が安定するわけ
- 4:47がありませんでした そこで
- 4:49東京帝国大学名誉教授で 貴族院議員である
- 4:52憲法学者の美濃部達吉があることを 思いつきます
- 4:56内閣の外に新しい機関を設けて はどうだろう
- 5:00そこに政党の党首や実業界の代表者 を集めて重要なことを話し合えば
- 5:06いい と考えたのです
- 5:07この考えが採用され 新しく話し合いの機関が設置されます
- 5:11これが内閣審議会です 会長には総理大臣の岡田啓介が
- 5:16副会長には高橋是清が就任し 様々な人々により
- 5:20重要政策が話し合われていきます
- 5:23そうなると 内閣審議会で審議するための資料
- 5:26を作成したり 議案を準備したりする必要があります
- 5:29ということで 内閣審議会に関する様々な仕事
- 5:33を請け負う 内閣調査局という機関も設けられました
- 5:37政権強化のために設けられた内閣 審議会ですが
- 5:40こちらはあまり効果がなく 後に廃止されますが
- 5:43内閣調査局の方は存続し 企画局企画院へと名前を変えて
- 5:48国の計画を立てる機関として 活動を継続していきます
- 5:52こうしてバラバラになっていた 勢力が
- 5:54内閣審議会のもとで1つになりました ところがここで問題になるのが
- 5:58立憲政友会の鈴木喜三郎です 彼は憲政の常道に従って政友会
- 6:04が政権を取るべきだ という考えを変えておらず
- 6:07この内閣審議会には参加していません でした
- 6:11こうして政友会は反撃を開始 これが天皇機関説問です
- 6:16そもそも天皇機関説とはなにか を説明します
- 6:19第一次世界大戦が終わった後 敗北した側のドイツ皇帝が
- 6:23戦争犯罪人として起訴されることが 問題となりました
- 6:27つまり君主が政治的責任を問われる ことがある
- 6:31ということがわかったのです そうなると日本としては
- 6:34天皇陛下が戦争犯罪人になるなんて ことは
- 6:36なんとしても避けなければいけません ということで
- 6:40日本は天皇主権国家である しかし天皇は政治と全く関係ない
- 6:45立場にいる 政治の責任は内閣などの機関が
- 6:48持つ という形式を取ることにしました
- 6:51つまり国家を人の体に例えるなら 立法権を行使する国会
- 6:56行政権を行使する内閣 司法権を行使する裁判所といった
- 7:01ものは手足にあたり 天皇は脳のような存在であるという
- 7:05説明をしたのです これが天皇機関説です
- 7:08この学説は先ほども出てきた美濃部達 吉によって提唱されたもので
- 7:13天皇主権の建前を取りながら 天皇が責任を取る必要がないという
- 7:18現実に即した解釈でした ところが当時の日本では天皇は
- 7:23神であると考える人は普通にいて 軍人出身の議員が
- 7:27天皇機関説を非難します 国家を人体に例え天皇をその首脳
- 7:32だとするとはけしからん 不敬であり明らかな謀反である
- 7:37と主張したのです これに注目したのが
- 7:39先ほどお話した政友会です これは内閣打倒に利用できる
- 7:44岡田内閣が倒れたら立憲政友会 に政権が回ってくるだろう
- 7:49そう考えてこの問題に参戦 軍部と協力して岡田内閣を倒そう
- 7:54としていきました
- 7:55こうして美濃部達吉は攻撃にさら され
- 7:57彼の本は発行禁止となります 立憲政友会はこの天皇機関説問題
- 8:03で 自分たちに政権を取り戻そうとした
- 8:05のですが 結局それは逆効果になってしまい
- 8:08これ以降軍部の力が強まっていき ます
- 8:11こうして天皇機関説を取り除いた 陸軍は
- 8:14岡田内閣に迫って 天皇機関説を否定する声明を発表
- 8:18させます 天皇は統治権を行使するための
- 8:21機関などではない 日本は天皇中心の国である
- 8:26そのような声明でした こうして戦前日本において学問
- 8:30は 神話の前に屈したのです
- 8:37さていかがだったでしょうか 政党は政権を取ろうとするあまり
- 8:41天皇機関説を否定して ついに自らの墓穴を掘りました
- 8:45日本の立憲政治は 政党が自ら葬り去る
- 8:48という皮肉な状況になってしまった のです
- 8:51こうして日本では天皇が神格化 され
- 8:54政府による思想統制が始まって いくのです
- 8:57そんな中日本の政局を大きく動かす 事件が起こります
- 9:01ということで次の動画では 二二六事件についてお話していき
- 9:04ます それではまた次の動画で
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